2011年8月9日火曜日

第2回ヤーコン6次産業化研究会in宇久須


 「ヤーコン6次産業化研究会」発足。
6月28日、函南町の田方農業高校の同窓会館「耕友会館」で東部農林事務所主催の発足式が行われました。
参加した団体や個人は東部農林事務所の地域振興課、三島「ヤーコン舎」、障がい者を支援するNPO、ヤーコン生産者、そしてNPO「ヤーコンネットワークジャパン」20名以上にわたりました。宇久須からはスローライフ部会長と事務局の私、関東ブランチの上田先生など5名がさんかしました。
 6次産業とは1次産業のヤーコンの生産×ヤーコンをヤーコン茶や干しイモ・ジャムなどに加工する第2次産業×販売や流通などの第3次産業を表します。どれか一つかけてもゼロになってしまいます。
 とりあえず1,5次産業化が提案されました。ヤーコンの栽培とそれを収穫後、
それを切断し、温室やビニールハウスで乾燥させた後、椎茸乾燥機で乾燥させて、お茶の材料として出荷するといった形です。しかしこの形ではあら茶が買いたたかれる心配があります。
 中国の歴史に詳しい参加者からウーロン茶とプーアール茶の例が出され、自分たちで基準を作る必要性があることが重要であるとの意見が出されました。たしかにその通りだと思いました。
 具体的なイメージが湧かないため、第2会の研究会を西伊豆町宇久須において、実際にやっってみて見ることになりました。
 昨年までは福島県でヤーコン茶用の栽培が行われていました。ところが原発の影響で、福島での栽培はストップされました。そこで目を付けられたのが宇久須です。なぜ宇久須か?第1に無霜地帯であるため、葉が1月頃まで枯れません。第2に広い休耕田です。ヤーコン茶の栽培条件は「無農薬・有機・炭栽培」です。無農薬・有機の条件は過去3年以上化学肥料や農薬を利用していないというのが条件です。幸い休耕田はこの条件を満たしています。もしかしたら西伊豆町の農業を変えるムーブメントになるような感じがします。第1休耕田のヤーコンはすばらしい成長をしています。

その後、第二回の「ヤーコン6次産業化研究会in宇久須」が具体的に計画されました。日程は8月21日がトライアルで、本番は8月24日(水)です。時間は今詰めています。おそらく11時頃、休耕田でヤーコンの収穫、集荷したものをカーネーション団地のビニールハウスに持って行きエンジンカッターで切断しブルーシート上に広げて乾燥。そして里に下りてきて、事前に乾燥させておいたヤーコンを椎茸乾燥機で乾燥させ1.5次産業として御茶屋さんに出荷というイメージです。最終的には製茶機まで持って行けたらいいな、と考えています。

ヤーコン栽培2

ヤーコンの栽培は契約栽培。伊豆半島でも松崎町のサクラ葉の栽培や八木沢地区を主体とした畑ワサビの栽培が行われております。サクラ葉は出荷が大変です。ワサビも出荷調整が大変です。ところがヤーコンはヤーコン茶の場合は年に3回、地上2~3cmで刈り取り、温室やビニールハウスで乾燥させ、シイタケ乾燥機で乾燥させれば出荷できます。当然、完全無農薬栽培ですので面倒な薬剤散布もありません。65歳以上の人口が占める割合が39%と静岡県で第二位の西伊豆町にとっては格好の作目になりそうな感じです。ちなみに西伊豆町のある地区では68歳以上の割合が68%という集落があると聞きました。
 無農薬栽培とは、農薬を3年以上使用していない圃場のことです。休耕田は農薬の使用はありません。もしかしたらヤーコンが西伊豆町の救世主になるかもしれない。
 そんな思いを持って部会長と事務局(雑役→庶務→事務局?)の二人で三島のヤーコン舎に出かけ、契約栽培について相談してきました。
伺った内容は、以下の通りです。


 話をしている過程で面白い話題がでました。「ヤーコン舎(NPOヤーコンネットワークジャパン?この関係が私には分かっていません。)が苗は準備できているが、植える畑が無い、もし西伊豆にあるのならNPO「グランドワーク三島」のスタッフが植えに行きたい」との相談がありました。宇久須にとっては絶好のチャンス。休耕田の解消にもつながるし、ヤーコン栽培を勉強できると思いました。さらにはネットワークがつながるといったメッリトがあります。部会長が早速翌日には、10aの耕作権を探してくださいました。早速ヤーコン舎に連絡を取ったのですが、組織の関係上相談しないと返事ができないとのことでした。今週水曜日(6・15)にヤーコン舎の舎長が宇久須に訪れ、候補地を見ました。どうやらお眼鏡にかかったみたいです。今後どのように展開するか楽しみです。
 
 なお昨日、間接的にですが静岡県東部農林事務所から「ヤーコンの6次産業化研究会の開催について」の連絡をいただきました。ヤーコンの栽培から加工、流通まで西伊豆でできないか模索していきたいと思います。

三島・ヤーコン舎のヤーコン植え付け

ヤーコン舎のヤーコン栽培。
三島のヤーコン専門店「ヤーコン舎」を訪ねて、ヤーコンの契約栽培について伺っていたところ、代表の石黒さんから以下のような話がありました。「ヤーコン舎で扱っているヤーコン茶は、今まで福島県の農家で委託栽培されていました。その面積は100a(10反)だったそうです。ところがその圃場が3・11東日本大震災で被災した東電第1原子力発電所の30キロ圏内。今年の作付けは中止したそうです。その分神奈川や静岡で作ってほしいとの要請があったそうです。「ヤーコンの苗はあるけど、植える場所が無い」との話にスローライフ部会長が「探して見ましょう」との話を宇久須に持ち帰りました。
 翌日には休耕田10aを借りることができ、早速「ヤーコン舎」に連絡いたしました。
5月26日の日曜日に、ヤーコン舎の石黒さんやNPO「グランドワーク三島」のメンバーが7人ほど植え付けに来ました。トラクターを持ってくることができなかった為、宇久須の農家の方が耕運してくださいなした。